損益分岐点(breakeven point)は利益がゼロの売上水準
損益分岐点¶
利益:=売上−費用 と定義されるため、利益がゼロのときは 売上=費用 で、費用を分解すると
売上=固定費+変動費 ここで
単価をp、販売数量をQ、単位あたり変動費をcV、固定費をCFとすると
売上⟺pQ=固定費+変動費=CF+cVQ 損益分岐数量¶
販売数量Qについて解くと
pQ−cVQ(p−cV)QQ=CF=CF=p−cVCF=限界利益固定費 損益分岐売上¶
限界利益が p−cV なので限界利益率は pp−cV となる。そのため上の式の両辺にpをかければ
pQ⟺売上=p−cVCFp=CF/pp−cV=限界利益率固定費 SaaSの損益分岐点¶
ARPA(契約あたり売上;単価)とLTV(顧客生涯価値)とCAC(顧客獲得コスト)
LTV= 解約率 ARPA× 粗利率 CAC= 新規顧客数 Sales + Marketing から
が損益分岐点
(LTV/CAC≥3が健全とされる)
例
年収900万円の営業1人+広告費100万円/年かけて年間10件成約する(=CACが100万円の)toB SaaSで、粗利率10%、解約率(チャーンレート)が10%とする
もしARPAが100万円なら、
LTV= 解約率 ARPA× 粗利率 =0.1100万円×0.9=900万円 で、LTV/CAC=9なので健全
もしARPAが30万円なら
LTV= 解約率 ARPA× 粗利率 =0.130万円×0.9=270万円 LTV/CAC=2.7なので非常に厳しい経営状態になる
粗利との関係¶
粗利は売上から原価を抜いたものなので、粗利:=売上−変動費 になる。
変動費が売上に比例する( 変動費:=v×売上 )とした場合、
売上=固定費+v×売上 これを解くと
売上−v×売上=固定費(1−v)×売上=固定費売上=1−v固定費 となる。
なお1−vは粗利率を意味する:
粗利:=売上−変動費⟺粗利=売上−v×売上⟺粗利=(1−v)×売上⟺1−v=売上粗利=粗利率 利益が出る売上は
固定費が3000万円、粗利率が10%としたとき
損益分岐売上=0.93000万円=3333万円 自動車部品業界 のtier 1のように企業数が少ない狭めの業界を対象とした BtoB SaaSの場合、例えば100社に導入することを仮定すると、1社あたりの損益分岐売上(=SaaSの損益分岐単価)は
損益分岐単価=1003333万円=33.3万円