E-Valueは相対リスク(リスク比)などの比率で関連性を測るとき、未観測の交絡因子の影響の強さを簡単に測る方法。
観測された処置と結果の関連性(相対リスク)がすべて交絡因子による影響だと仮定すると、どれだけ交絡因子の影響が強いのか? を示す。
ここで RRは 相対リスク(relative risk) で、例えば「キャンペーンの有無」が「商品の購入の有無」に与える効果を調べたい場合だと
RR=対照群での購入の割合処置群での購入の割合 となる。これはRRが1より大きい場合で、もしRRが1より小さくなるなら逆数を用いる。
E-valueが大きいほど、観測された結果と処置の関係は因果関係に近い(ロバストである)と解釈される。
例えばRRが1.5(処置で1.5倍改善)だとE-valueは2.37になる。これは、 もし未観測の交絡因子でこの推定結果を説明するには、未観測の交絡因子が結果変数と処置変数の両方と2.37倍の相対リスクで関連している必要がある ことを示す。
# 例
p_treatment = 0.15 # 処置群での購入割合
p_control = 0.10 # 対照群での購入割合
RR = p_treatment / p_control
import math
E = RR + math.sqrt(RR * (RR - 1))
print(f"E-value: {E:.3g}")
結果をY、処置をA、未観測の交絡因子をUとする。
とすると、未観測の交絡因子の影響を受けた観測された相対リスクの上限(bounding factor, RRobs≤BF)は
BF=RRUY+RRAU−1RRUY×RRAU となる(Ding & VanderWeele, 2016)。
(ここからは推測を含む)
ここで RRUY=RRAUと仮定して Eとおく
BF=2E−1E2 ここで、 「観測された処置と結果の関連性RRobs が すべて未観測の交絡因子による影響である場合(RRobs=BF)に交絡の強さ E=RRUY=RRAU がいくつ必要か?」 という問題を解くことにする。
RRobs=2E−1E2 を変形すると
E2−2E×RRobs+RRobs=0 という二次方程式に整理できる。
二次方程式 x2+bx+c=0 の解の公式 x=2−b±b2−4c に対して b=−2RRobs,c=RRobsとすると
E=22RRobs±4RRobs2−4RRobs=22RRobs±2RRobs2−RRobs=RRobs±RRobs(RRobs−1) RRobsが正の場合に限定すれば
E=RRobs+RRobs(RRobs−1) 参考文献
Ding, P., & VanderWeele, T. J. (2016). Sensitivity analysis without assumptions. Epidemiology, 27(3), 368-377.
VanderWeele, T. J., & Ding, P. (2017). Sensitivity analysis in observational research: introducing the E-value. Annals of internal medicine, 167(4), 268-274.
VanderWeele, T. J., Ding, P., & Mathur, M. (2019). Technical considerations in the use of the E-value. Journal of Causal Inference, 7(2), 20180007.