訓練後段階では、潜在的にバックドア化された訓練済みモデルと(オプションで)少量のクリーンデータを用いて、バックドアの検出や除去を行う。デプロイ段階では、量子化モデルへの重み攻撃に対する耐性強化や検証を行う。
バックドア検出(Backdoor Detection)¶
モデルにバックドアが存在するかどうかを判定する。
特徴ベースの検出¶
| 手法 | アプローチ |
|---|---|
| ABS | 潜在的に侵害されたニューロンを特定し、トリガーの逆工学で確認 |
| EX-RAY | 対称的な特徴差分で検出 |
| DECREE | 事前学習済みエンコーダ向けの検出手法。最小トリガーパターンを探索 |
| DeepInspect | ブラックボックス設定でモデル反転を通じて代替訓練データを復元して検出 |
重みベースの検出¶
| 手法 | アプローチ |
|---|---|
| ULPs | 多数のクリーン/毒入れモデルを訓練し、Universal Litmus Patterns(普遍的リトマス試験紙)で検出 |
| MNTD | Shadow modelを用いた検出 |
目標ラベルの予測(Target Label Prediction)¶
バックドアが検出された場合に、攻撃者が狙った目標ラベルを特定する。
特徴ベース¶
| 手法 | アプローチ |
|---|---|
| NC(Neural Cleanse) | 各ラベルに対する最小の普遍的摂動(マスク化トリガー)を逆算。異常に小さいトリガーが見つかるラベルが目標ラベル |
| TND | データが限られた/ない状況にも対応 |
| K-Arm | 強化学習のK-arm bandit戦略で効率的に目標ラベルを特定 |
| L-RED | ラグランジュベースの逆工学 |
| B3D | 勾配なし最適化による逆工学 |
重みベース¶
| 手法 | アプローチ |
|---|---|
| Greg et al. | 最終線形層でトロイの目標ラベルを関連付け |
| CPBD | 臨界経路分析で特定 |
バックドアの除去(Backdoor Removal)¶
バックドアを検出した後、モデルの有用性を保ちつつバックドアを除去する。
構造修正(プルーニング)ベース¶
バックドアに関連するニューロンを特定して除去する。
| 手法 | アプローチ |
|---|---|
| FP(Fine-Pruning) | 良性データで活性化できないニューロンをプルーニング後にファインチューニング |
| ANP | min-max最適化で危険なニューロンを特定して除去 |
| ShapPruning | シャプレイ値で各ニューロンの貢献度を計算し除去 |
| CLP | チャネルのリプシッツ定数を測定し、異常に大きいチャネルを除去 |
| AWM | ソフトな重みマスキング |
| NPD | 線形変換層を挿入して無力化 |
ファインチューニングベース¶
トリガーの逆工学と組み合わせてモデルを再学習する。
: トリガーのマスク
: 逆転されたトリガーパターン
| 手法 | アプローチ |
|---|---|
| NC + i-BAU | 逆転トリガーを用いた再学習 |
| MESA | Max-entropy staircase approximatorでトリガー分布を近似 |
| PBE | 敵対的サンプルを利用した再学習 |
| NAD | 教師モデルのファインチューニングによる知識蒸留ベースの除去 |
重み攻撃への防御(Weight Attack Defense)¶
重み攻撃(ビットフリップ攻撃)は、デプロイされたモデルの量子化された重みパラメータを直接改変する攻撃である。
モデル強化¶
| 手法 | アプローチ |
|---|---|
| OCM | 部分的に重複するビット文字列を採用し、tanh活性化関数で重みを相関化 |
| Aegis | 中間層に内部分類器(ICs)を追加し、動的終了機構を実装 |
| RREC | ランダム回転でビット順を難読化し、非線形量子化で圧縮 |
フィンガープリント検証¶
| 手法 | アプローチ |
|---|---|
| DeepAttest | デバイス固有のフィンガープリントをモデル重みに符号化し、信頼実行環境(TEE)に保存。推論時に検証 |
参考文献¶
Wu et al. (2023). Defenses in Adversarial Machine Learning: A Survey. Section V.
Wang et al. (2019). Neural Cleanse: Identifying and Mitigating Backdoor Attacks in Neural Networks.
Liu et al. (2018). Fine-Pruning: Defending Against Backdooring Attacks on Deep Neural Networks.
Kolouri et al. (2020). Universal Litmus Patterns: Revealing Backdoor Attacks in CNNs.