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Support Vector Machine

マージン

データがクラス{C1,C2}\{C_1, C_2\}のどちらに含まれるかを判断する2クラス識別問題について考える。 教師ラベルはy∈{+1,−1}y \in \{+1, -1\}であり、それぞれデータがC1,C2C_1, C_2のどちらに含まれるかを示すとする。 係数ベクトルをw=(w1,...,wd)Tw=(w_1, ..., w_d)^T、バイアス項をbb、特徴量ベクトルをx=(x1,...,xd)Tx=(x_1, ..., x_d)^Tとおくと、線形識別関数は

f(x)=wTx+bf(x) = w^T x + b

と表すことができる。

識別境界(識別超平面)はf(x)=0f(x)=0となる位置に描かれるとし、クラス1をf(x)>=0f(x) >= 0、クラス2をf(x)<0f(x) < 0で表現するように学習させるとする。例えば次の図のように、ある識別関数が存在したとする。

Source
<Figure size 640x480 with 1 Axes>

訓練データ中に存在しなかったノイズがテストデータに含まれていた場合、ノイズの分だけ識別を誤りやすくなる。 しかし、訓練データの点が識別超平面からある値h>0h > 0よりも離れるように学習させれば、hhより小さなノイズに対しては正しく識別できるようになる。

例えば、以下の図の(a)と(b)はいずれもサンプルをうまく分離できているものの、(a)よりも(b)のほうがデータ点と識別超平面の距離があり、ノイズに対してより頑健で望ましい分類器であると考えられる。

Source
<Figure size 1200x300 with 2 Axes>

となれば、 「識別超平面が訓練データからもっとも離れるように(両クラスの中間になるように)学習させればよいのではないか」 という考えが湧く。

これがサポートベクターマシン(Support Vector Machine: SVM)の考え方である。

識別境界f(x)=0f(x) = 0と最も近い各クラスの訓練データの点を サポートベクトル (support vector)といい、サポートベクトルと識別境界との距離(識別境界と最も近いデータ点の距離)を マージン (margin)という。

ある識別関数に対してとれるマージンの大きさは、両クラスの学習データを識別関数の法線ベクトル上に射影した長さの最小値

ρ(w)=min⁡x∈C1wTx∣∣w∣∣−max⁡x∈C2wTx∣∣w∣∣\rho(w) = \min_{x \in C_1} \frac{w^T x}{||w||} - \max_{x \in C_2} \frac{w^T x}{||w||}

の半分である。ρ(w)\rho(w)はクラス間マージンという。次の図中の2つの破線の間の距離がρ(w)\rho(w)である

Source
<Figure size 640x480 with 1 Axes>

ハードマージンSVM

学習データの集合をDL={(yi,xi)}(i=1,...,N)\mathcal{D}_L = \{(y_i, x_i)\}(i=1,...,N)とする。係数ベクトルはバイアス項bbを外に出す形で、w=(w1,...,wd)Tw=(w_1, ..., w_d)^Tと表記する。特徴量ベクトルはx=(x1,...,xd)Tx=(x_1,...,x_d)^Tである。yi={−1,+1}y_i=\{-1, +1\}は教師データで、学習データxi∈Rdx_i\in \mathbb{R}^dがどちらのクラスに属するかを示す。

線形識別関数のマージンをκ\kappaとすれば全ての学習データで

∣wTxi+b∣≥κ|w^T x_i + b| \geq \kappa

が成り立つ。

係数ベクトルとバイアス項をマージンで正規化(wTxi=−bw^T x_i = -bを定数倍)したものをあらためてw,bw, bとおけば

{wTxi+b≥+1ifyi=+1wTxi+b≤−1ifyi=−1\begin{cases} w^T x_i + b \geq +1 & \text{if} \hspace{0.5em} y_i = +1\\ w^T x_i + b \leq -1 & \text{if} \hspace{0.5em} y_i = -1 \end{cases}

となり、まとめて表記すると

yi×(wTxi+b)≥1y_i \times (w^T x_i + b) \geq 1

クラス間マージンは

ρ(w,b)=min⁡x∈Cy=+1wTx∣∣w∣∣−max⁡x∈Cy=−1wTx∣∣w∣∣\rho(w, b) = \min_{x \in C_{y=+1}} \frac{w^T x}{||w||} - \max_{x\in C_{y=-1}} \frac{w^T x}{||w||}

第1項の分子はwTxi+b≥+1w^T x_i + b \geq +1の最小値がwTxi+b=1w^T x_i + b = 1であることからmin⁡wTxi=1−b\min w^T x_i = 1 - b

第2項の分子はwTxi+b≤−1w^T x_i + b \leq -1の最大値がwTxi+b=−1w^T x_i + b = -1であることからmax⁡wTxi=−1−b\max w^T x_i = -1 - b

であることを使えば

ρ(w,b)=min⁡x∈Cy=+1wTx∣∣w∣∣−max⁡x∈Cy=−1wTx∣∣w∣∣=1−b∣∣w∣∣−−1−b∣∣w∣∣=1+1−b+b∣∣w∣∣=2∣∣w∣∣\begin{align} \rho(w, b) &= \min_{x \in C_{y=+1}} \frac{w^T x}{||w||} - \max_{x\in C_{y=-1}} \frac{w^T x}{||w||}\\ &= \frac{1 - b}{||w||} - \frac{-1 - b}{||w||}\\ &= \frac{1 + 1 - b + b}{||w||}\\ &= \frac{2}{||w||} \end{align}

となる。

識別関数の最大マージンは最大クラス間マージンの半分であるため、1∣∣w∣∣\frac{1}{||w||}となる。

最適識別超平面

最適な識別超平面は、「すべての訓練データを正しく識別できる」という制約条件

yi(wTxi+b)≥1(i=1,...,N)y_i (w^T x_i + b) \geq 1 \hspace{1em} (i=1,...,N)

の下でマージン1∥w∥\frac{1}{\|w\|}を最大化した解として得られる。 マージンの最大化は∥w∥\|w\|の最小化と等しいため、

w0=min⁡∥w∥w_0 = \min \|w\|

として求めることができる。これは次の不等式制約条件つき最適化問題を解くことで得られる。

この問題はラグランジュの未定乗数法を用いて解かれ、次のラグランジュ関数として定式化される

L~p(w,b,α)=12wTw−∑i=1Nαi(yi(wTxi+b)−1)\tilde{L}_p(w, b, \alpha) = \frac{1}{2} w^T w - \sum^N_{i=1} \alpha_i (y_i (w^T x_i + b) - 1)

ここでα=(α1,...,αN)T\alpha=(\alpha_1, ..., \alpha_N)^T、αi≥0\alpha_i \geq 0であり、αi\alpha_iはラグランジュ未定乗数と呼ばれる。

この最適化問題の解w∗w_*とb∗b_*は以下のKKT(Karush-Kuhn-Tucker)条件を満たす解として知られている。

ラグランジュ関数のwwをw∗w_*に置き換えてKKT条件(1)と(2)を代入して整理すると

Ld(α)=12w∗Tw∗−∑i=1Nαiyiw∗Txi−b∑i=1Nαiyi+∑i=1Nαi=∑i=1Nαi−12w∗Tw∗(∵∑i=1Nαiyi=0)=∑i=1Nαi−12∑i=1N∑j=1NαiαjyiyjxiTxj\begin{align} L_d(\alpha) &= \frac{1}{2} {w_*}^T w_* - \sum^N_{i=1} \alpha_i y_i w_*^T x_i - b \sum^N_{i=1} \alpha_i y_i + \sum^N_{i=1} \alpha_i\\ &= \sum^N_{i=1} \alpha_i - \frac{1}{2} w_*^T w_* \hspace{2em} (\because \sum^N_{i=1} \alpha_i y_i = 0)\\ &= \sum^N_{i=1} \alpha_i - \frac{1}{2} \sum^N_{i=1} \sum^N_{j=1} \alpha_i \alpha_j y_i y_j x_i^T x_j \end{align}

となり、ラグランジュ未定乗数のみの関数にすることができる

KKT条件(1)より最適解はw∗=∑i=1Nαiyixiw_* = \sum^N_{i=1} \alpha_i y_i x_iのようになることがわかっているので、最適な係数αi\alpha_iを求める問題に置き換えることができる。

ここで

1=(1,...,1)TH=(Hij=yiyjxiTxj)y=(y1,...,yN)T\begin{align} \boldsymbol{1} &= (1,...,1)^T\\ H &= (H_{ij} = y_i y_j x_i^T x_j)\\ y &= (y_1,...,y_N)^T\\ \end{align}

である。

双対問題のラグランジュ関数は、ラグランジュ未定乗数をβ\betaとすれば次の関数になる。

L~d(α,β)=αT1−12αTHα−βαTy\tilde{L}_d(\alpha, \beta) = \alpha^T \boldsymbol{1} - \frac{1}{2} \alpha^T H \alpha - \beta \alpha^T y

KKT条件(5)よりαi(yi(wTxi+b)−1)=0\alpha_i (y_i (w^T x_i + b) - 1) = 0がすべてのiiで成り立てば良いため、

{αi>0ifyi(wTxi+b)−1=0αi=0ifyi(wTxi+b)−1≠0\begin{cases} \alpha_i > 0 & \text{if} \hspace{0.5em} y_i(w^T x_i + b) - 1 = 0\\ \alpha_i = 0 & \text{if} \hspace{0.5em} y_i(w^T x_i + b) - 1 \neq 0 \end{cases}

となる。αi>0\alpha_i > 0となるxix_iをサポートベクトルという。

最適なバイアスb∗b_*はサポートベクトルの一つxsx_sを用いて

ys(w∗Txs+b∗)−1=0y_s (w_*^T x_s + b_*) - 1 = 0

を解いて求めるか、それらの平均を用いる。

実装例(cvxpy)

主問題をそのままソルバーに通すパターン

min⁡w12wTw=12∥w∥22s.t.yi(wTxi+b)≥1; ∀i\begin{align} \min_w & \hspace{1em} \frac{1}{2} w^T w = \frac{1}{2} \|w\|^2_2\\ \text{s.t.} & \hspace{1em} y_i( w^T x_i + b) \geq 1; \ \forall i \end{align}
The optimal value is 0.9049773766503894
w is [0.90497738 0.99547511]
b is -1.2800914228520561e-17
Source
<Figure size 640x480 with 1 Axes>

双対問題をソルバーに通すパターン

双対問題

maximizeLd(α)=αT1−12αTHαsubject toαTy=0\begin{align} \text{maximize} & \hspace{1em} L_d(\alpha) = \alpha^T \boldsymbol{1} - \frac{1}{2} \alpha^T H \alpha \\ \text{subject to} & \hspace{1em} \alpha^T y = 0 \end{align}

をcvxpyの二次計画問題のソルバーを使って解いてみる

The optimal value is inf
alpha is None
---------------------------------------------------------------------------
TypeError                                 Traceback (most recent call last)
Cell In[91], line 11
      8 print("alpha is", alpha.value)
     10 a = alpha.value
---> 11 w = sum([a[i] * y[i] * X[i] for i in range(n)])
     12 print(f"w={w}")

Cell In[91], line 11, in <listcomp>(.0)
      8 print("alpha is", alpha.value)
     10 a = alpha.value
---> 11 w = sum([a[i] * y[i] * X[i] for i in range(n)])
     12 print(f"w={w}")

TypeError: 'NoneType' object is not subscriptable
Source
<Figure size 640x480 with 1 Axes>

実装例(scikit-learn)

b=[-0.], w=[[0.90497736 0.9954751 ]]
Source
<Figure size 640x480 with 1 Axes>

ソフトマージンSVM

C-SVM

スラック変数と呼ばれる変数ξi\xi_iを追加する。

{ξi=0(マージン内で正しく識別できる場合)0<ξi≤1(マージン境界を超えるが正しく識別できる場合)ξi>1(識別境界を超えて誤識別される場合)\begin{cases} \xi_i = 0 & (マージン内で正しく識別できる場合)\\ 0 < \xi_i \leq 1 & (マージン境界を超えるが正しく識別できる場合)\\ \xi_i > 1 & (識別境界を超えて誤識別される場合) \end{cases}

以下のように書くこともできる

ξi=max⁡[0,1−yi(wTxi+b)]=f+(1−yi(wTxi+b))\xi_i = \max[0, 1-y_i(w^T x_i + b)] = f_{+}(1 - y_i(w^T x_i + b))

ここでf+(x)f_{+}(x)はヒンジ(hinge)関数と呼ばれるもので

f+(x):={x(x>0の場合)0(それ以外)f_{+}(x) := \begin{cases} x & (x > 0の場合)\\ 0 & (それ以外) \end{cases}

である

ソフトマージン識別器の主問題は以下のように定式化される。

すべての訓練データのスラック変数の和∑ξi(ξi≥0)\sum \xi_i (\xi_i \geq 0)は誤識別数の上限を与える。 パラメータCCは誤識別数に対するペナルティの強さであり、CCが大きいほどwwのノルム最小化よりも誤識別数を小さくする方を優先することになる。

このSVMはCC-SVMと呼ばれる。

ν-SVM

上限サポートベクトル(マージン誤りξi>0\xi_i > 0のベクトルの数)の割合の上限を規定するハイパーパラメータν\nuが指定できるようになった

カーネルトリック

カーネルモデル

線形モデルをカーネルモデルに拡張することを考える。

線形モデル
flinear(xi)=wTxi+bf^{linear}(x_i) = w^T x_i + b
  • xi=(xi1,…,xiD)x_i = (x_{i1}, \dots, x_{iD})

  • w=(x1,…,xD)Tw=(x_1,\dots,x_D)^T

カーネルモデル
fkernel(xi)=∑j=1Nwjϕ(xi)Tϕ(xj)+bf^{kernel}(x_i) = \sum^N_{j=1} w_j \phi(x_i)^T \phi(x_j) + b
  • xi=(xi1,…,xiD)x_i = (x_{i1}, \dots, x_{iD})

  • w=(x1,…,xN)Tw=(x_1,\dots,x_N)^T

ここでϕ(⋅)\phi(\cdot)は任意の関数で、ϕ(⋅)\phi(\cdot)によって入力ベクトルxxを高次元空間に写像し(2次元では線形分離不可能なものを3次元に写して線形分離不可にするイメージ)、高次元空間上の類似度を内積ϕ(xi)Tϕ(x)\phi(x_i)^T \phi(x)で表す。

カーネルモデルはNNの和が入っているように、訓練データ数NNが増えるとモデルの表現力は高まるが計算量が増える。

カーネルトリック

ϕ(x)\phi(x)上での内積計算を緩和するために 正定値関数 (positive definite function)を用いる。

正定値関数 k(xi,xj)k(x_i, x_j) は 再生核ヒルベルト空間 Hk\mathcal{H}_kへの写像 ϕ(xi),ϕ(xj)∈Hk\phi(x_i), \phi(x_j) \in \mathcal{H}_kの内積に対応する。

k(xi,xj)=ϕ(xi)Tϕ(xj)k(x_i, x_j) = \phi(x_i)^T \phi(x_j)

これを用いて高次元空間上での内積をより単純な2変数関数の計算k(⋅,⋅)k(\cdot, \cdot)に置き換える事ができる。この正定値関数k(⋅,⋅)k(\cdot, \cdot)のことを カーネル関数 (kernel function)、グラム行列KKを カーネル行列 (kernel matrix) と呼ぶ。

カーネル関数とカーネル行列を用いると、カーネルモデルは以下のように表現できる

カーネル行列を用いたカーネルモデル
fkernel(xi)=∑j=1Nwjk(xi,xj)+b=Ki:w+bf^{kernel}(x_i) = \sum^N_{j=1} w_j k(x_i, x_j) + b = K_{i:} w + b

ここでKi:K_{i:}はカーネル行列のii行目の行ベクトルを表す。

カーネル関数の例

線形カーネル(linear kernel)
k(xi,xj)=xixjTk(x_i, x_j) = x_i x_j^T

入力をそのまま出力する写像関数ϕ(x)=xT\phi(x)=x^Tに対応する

ガウスカーネル(Gaussian kernel)
k(xi,xj)=exp⁡(−∥xi−xj∥22σ2)k(x_i, x_j) = \exp \left( -\frac{\| x_i-x_j \|^2}{2\sigma^2} \right)

参考

  • 八谷大岳. (2020). ゼロからつくるPython機械学習プログラミング入門.

<Figure size 640x480 with 1 Axes>
<Figure size 640x480 with 1 Axes>

GaussianKernel (RBF kernel)

一般的には

k(x,x′)=exp⁡(−∥x−x′∥22σ2)(2)k(\mathbf{x},\mathbf{x}^{\prime}) = \exp \left( \frac{-\| \mathbf{x} - \mathbf{x}^{\prime} \|^{2}}{2\sigma^{2}} \right) \tag{2}

David Duvenaud (2014). “The Kernel Cookbook: Advice on Covariance functions”.

array([[1], [2]])
-4.000000000000001

Memo 4

RBFカーネルが無限次元になるのは指数関数の冪級数による定義が無限和であるため

exp⁡(x)=∑n=0∞1n!xn\exp(x) = \sum^\infty_{n=0} \frac{1}{n!} x^n

ref: https://ja.wikipedia.org/wiki/指数関数#厳密な定義a