標本空間¶
確率は世の中で観測される事象に対して定義されるため、まず事象を数学的に記述する。
「六面サイコロを1個投げたときの出目」のような事象(event)の集合
Ω={1,2,3,4,5,6} を 標本集合 (sample set) と呼ぶ。また試行の結果得られたものを 標本(sample) と呼ぶ。
事象:σ-加法族¶
σ-加法族だと無限回の集合演算に閉じてるということ。
ただし、なんでもいいわけではなく、例えばF=2Ωとし、Ω=Rと対応付けたような集合は、大きすぎて自然な確率が定義できないことが知られている。
実用的なσ加法族としてボレル集合族というものがある。
ボレル集合族¶
標本空間Ω=Rd (d∈N)について、まずd=1の場合のσ加法族を考える。
区間の集合
I={(a,b]∣a,b∈R∪{±∞}} を考える。ただしb=∞のときは(a,b]=(a,∞)とし、a>bのときは(a,b]=∅とする。
これに対し、
A={∪k=1mIk∣m∈N,Ii∩Ij=∅(1≤i<j≤m),Ii,Ij∈I} とすると、これは有限加法族である。このようなAを 区間塊 という。
Aの元に対して、その補集合や積集合を加えてAを拡張していくとAを含むσ-加法族が出来上がる。
上記の区間集合で定義されたAから作られたσ(A)は、特にR上の ボレル集合族 (Borel field) と言われ、
B:=σ(A) と書かれる。
一般化してd次元の標本空間Ω=Rd (d∈N)に対しても、d時点の区間の集合
Id={(a1,b1]×⋯×(ad,bd]∣(ai,bi]∈I,1≤i≤d} に対してBd=σ(Id)と作ることができる。これを d次元ボレル集合族 という。こうして d次元(ボレル)可測空間
(Rd,Bd) が得られる
確率変数¶
標本の元ω∈Ωのことは根元事象とも呼ばれる。
例えばサイコロの目をXとして、X(ωi)=i (i=1,…,6)という対応を考える。X=iという観測(実現値 realization)を通して、背後にωiという事象が起こっていたのだと考える。
よって、X:Ω→Rとなるような対応があって、これが確率変数となる。
例えばX∈{1,6}となるような「確率」を考えることは、事象{ω1,ω6}の「確率」を考えることになる。したがって{ω1,ω6}=X−1({1,6})∈Fであることが要求される。
(少なくとも清水 (2021) では)以下の略記法が用いられる。
記法:写像 X:Ω→R に対して,
{X∈B}:={ω∈Ω∣X(ω)∈B}(=X−1(B)) また, b>a>0 に対して B=(a,b] のときには, {a<X≤b}:={X∈(a,b]} の ような記号も用いる.
※randam variableの訳語は「確率変数」だが、確率の定義に踏み入らずに定義される。
確率変数は可測関数¶
確率変数は測度論における可測関数のこと。
よって確率変数はΩ上のF-可測関数である
Y が F/Bk-可測であることを示せばよい。
Y が Y=f∘X なる合成写像であり、(f∘X)−1(⋅)=X−1(f−1(⋅)) が成り立つことに注意すると、任意の B∈Bk に対して、
Y−1(B)=(f∘X)−1(B)=X−1(f−1(B))∈F を得る。 最後は f−1(B)∈Bd と X:Ω→Bd の F-可測性を用いた。
頻度論的確率¶
日常的に使われる確率の定義は
( 確率 )=( 起こり得るすべての場合の数 )( 対象となる場合の数 ) で、これはラプラスによる 頻度論的確率 と呼ばれる定義。
公理論的確率¶
コルモゴロフによる公理主義的な確率
A∩B=∅は同時に起こらない、排反事象のこと。2.のほうを確率の加法性という。