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IRTモデルの仮定

標準的なIRTモデルの仮定

  1. 一次元性 :能力は1次元で表せる

  2. 局所独立性 :θ\thetaで条件づけた下での項目間の独立性。尤度関数の構築のために仮定。

一次元性

2PLMのように1次元の能力パラメータθ\thetaをもつモデルは、能力が1次元で表せることを仮定している。
データがこのモデルに合っているかどうかを確かめる必要がある

検証方法

スクリープロットを描き、第1主成分が突出して高ければ一次元性を満たすと判断する。厳密な判断基準はない。

Source
<Figure size 400x200 with 1 Axes>

局所独立性(local independence)

局所独立性(local independence) の定義は「能力θ\thetaの値を固定したもとで、各項目の反応uju_jは独立」というもの。

局所独立性が仮定される理由は2つある

  1. θ\thetaが反応傾向の変動要因だから

  2. 尤度関数が作りやすいから

1. θ\thetaが反応傾向の変動要因だから

IRTモデルでは、各項目への反応傾向(正答率)uju_{j}が変化する要因はθ\thetaであると仮定して項目反応曲線をモデリングしている。

θ\thetaが各項目の反応uju_jに影響しているため、θ\thetaが反応同士uj,ulu_j, u_lの疑似相関corr(uj,ul)corr(u_j, u_l)を起こす第3の変数(交絡因子)になっている状態。しかしθ\thetaの値を固定する(統制する)と、この疑似相関は消えるはず。

もしθ\theta以外にuju_jに影響を与える共通の要因(θ\theta以外の交絡因子)があるなら、局所独立性が満たされない。ということ。

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2. 尤度関数が作りやすいから

尤度関数(≒反応パターンの同時分布)を各項目の積

L(T,θ∣U)=∏i=1I∏j=1JPj(θi∣T)uij⋅{1−Pj(θi∣T)}1−uij\begin{aligned} L(\mathbf{T}, \boldsymbol{\theta} \mid \mathbf{U}) &=\prod_{i=1}^I \prod_{j=1}^J P_j(\theta_i \mid \mathbf{T})^{u_{i j}} \cdot \{ 1 - P_j(\theta_i \mid \mathbf{T}) \} ^{1-u_{i j}} \end{aligned}

とするために、θ\thetaで条件づけた下での項目間の独立性を仮定している。 (なおT\mathbf{T}は項目パラメータ、uiju_{i j}は二値の反応、U\mathbf{U}は反応パターン行列、Pj(θi∣T)P_j(\theta_i \mid \mathbf{T})はICC)

局所独立性の正確な検証は難しいが、Q3Q_3統計量が参考によく用いられる。

Q3Q_3統計量は

  • θ\thetaによって項目間の相関関係が十分に説明されているとすれば、その影響を除去した残差得点同士の相関は0に近くなるはず

  • θ\theta以外に項目間に相関をもたらす要因がある場合はθ\thetaの影響を除いてもなお相関が残る

という考え方をとっている。

目安としては、「Q3>0.20Q_3 > 0.20の項目ペアは局所独立性の侵害を疑う必要がある」とされるが0.20も絶対の閾値ではない。

局所依存性があるとどうなるのか?

局所依存性を考慮した場合に比べて項目母数の推定誤差が増加(登藤直弥. 2012. 項目反応間の局所依存性が項目母数の推定に与える影響)