概要¶
指数分布(exponential distribution) は生存時間などを表すのに使われる分布。幾何分布の連続版であり、ポアソン過程における事象間の待ち時間を表す。離散確率分布における幾何分布と同様に、連続確率分布の中で唯一の無記憶性をもつ分布である。
図¶
import matplotlib.pyplot as plt
import numpy as np
from scipy.stats import expon
x = np.linspace(0, 5, 100)
fig, axes = plt.subplots(1, 2, figsize=[8, 3])
for lam in [0.5, 1, 2]:
axes[0].plot(x, expon.pdf(x, scale=1/lam), label=fr"$\lambda={lam}$")
axes[1].plot(x, expon.cdf(x, scale=1/lam), label=fr"$\lambda={lam}$")
axes[0].set(title="PDF", xlabel="x", ylabel="f(x)")
axes[0].legend()
axes[1].set(title="CDF", xlabel="x", ylabel="F(x)")
axes[1].legend()
fig.tight_layout()
fig.show()ハザード関数¶
を非負の連続型確率変数とし、その密度関数を、分布関数をとする。を生命が死亡したり機械が故障する時間を表す変数とみなすと、時間まで生存していて次の時間までに死亡する条件付き確率は
両辺をで割ると
の極限を考えると、は微分の定義と同じ形であるから、分布関数の微分すなわち確率密度関数である。
なので
となる。
この「時間まで生存していて次の時間までに死亡する条件付き確率」
を ハザード関数 (hazard function) という。
指数分布のハザード関数¶
ハザード関数に指数分布をあてはめると
であり、次の瞬間に死亡する確率密度は時間に無関係で常に一定でとなっていることがわかる(幾何分布や指数分布のこの性質は 無記憶性 と呼ばれる)。
ハザード関数による非負の連続型確率分布の生成¶
非負の連続型確率変数の分布は、ハザード関数によって特徴づけられる。
ハザード関数の両辺を積分すると
となる
これは、次のように整理できる
途中式
例えばと定数をおくと指数分布が生ずる。
性質¶
無記憶性: 。連続確率分布の中で無記憶性を持つのは指数分布のみ
ガンマ分布の特殊ケース
ポアソン過程における事象間の待ち時間は指数分布に従う
個の独立なの和はガンマ分布に従う
ハザード関数が定数であることが指数分布を特徴づける
応用例¶
機器の故障までの時間(故障率が一定の場合)
顧客が来店するまでの待ち時間
放射性物質の崩壊までの時間
生存分析における基本的な生存時間モデル
待ち行列理論(M/M/1キューなど)