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多次元IRTモデル

多次元因子分析モデルでは項目反応yijy_{ij}

yij=τj+t=1Tfitbtjεijy_{i j} = \tau_j + \sum_{t=1}^T f_{i t} b_{t j} - \varepsilon_{ij}

のように表す。ここから考えると、多次元IRTモデル(の2PLM)の項目反応関数は

P(yij=1)=11+exp[t=1Tαjtθitτj]P(y_{ij}=1) = \frac{1}{ 1 + \exp \left[ -\sum_{t=1}^T \alpha_{j t} \theta_{i t} - \tau_j \right]}

のように考えられる。τj\tau_jは切片のパラメータで、これを困難度に変換するには、次元ごとの識別力を一つにまとめた 多次元識別力 である

MDISCj=t=1Tαtj2\operatorname{MDISC}_j=\sqrt{\sum_{t=1}^T \alpha_{t j}^2}

を使って

βj=τjMDISCj\beta_j=\frac{-\tau_j}{\mathrm{MDISC}_j}

と変換する(豊田 2013 『項目反応理論[中級編]』) 。

補償型と非補償型

ある次元の特性値が低くても、別の次元の特性値がとても高い場合は反応確率が高くなるようなモデルは 補償型 (compensatory) モデル と呼ばれる。例えば先述の

P(yij=1)=11+exp[t=1Tαjtθitτj]P(y_{ij}=1) = \frac{1}{ 1 + \exp \left[ -\sum_{t=1}^T \alpha_{j t} \theta_{i t} - \tau_j \right]}

は補償型モデルである。

一方で複数の次元の特性値がそろわないと高くならない多次元IRTモデルは 非補償 (noncompensatory) モデル あるいは 部分補償(partially compensatory)モデル と呼ばれる(例:「総合学力」に対して「数学力スコア」と「英語力スコア」はそれぞれ独立していると考える)。最もシンプルな非補償モデルの項目反応関数は

P(yij=1)=t=1T11+exp[αjt(θitβjt)]P(y_{ij}=1) = \prod_{t=1}^T \frac{1}{1+\exp \left[-\alpha_{j t}\left(\theta_{i t}-\beta_{j t}\right)\right]}

である。それぞれの次元の特性値θit\theta_{i t}で説明される確率の積にして同時確率のようになっている。

推定の難しさなどの観点から補償型のほうがよく使われるらしい