因数分解#

因数定理#

因数定理

多項式 \(f(x)\) について、 \(f(a)=0\) なら、 \(f(x)\)\((x-a)\) を因数に持つ。

例:

\(f(x) = x^2 - 2x + 1\) に対して \(x = 1\)を代入すると

\[ f(1) = 1 - 2 + 1 = 0 \]

であり、実際\(f(x) = (x-1)^2\)である。

\(f(a) = 0\)となる\(a\)の求め方

\[ \pm \frac{定数項の約数}{最高次の項の約数} \]

が候補となる

例:\(f(x) = x^2 -5x + 6\)

候補は

\[ \pm \frac{6}{1},\quad \pm \frac{3}{1},\quad \pm \frac{2}{1},\quad \pm \frac{1}{1} \]

となる。実際に関数に代入してみると

\[\begin{split} \begin{align} f(6) &= 36 - 30 + 6 = 12\\ f(-6) &= 36 + 30 + 6 = 72\\ f(3) &= 9 - 15 + 6 = 0\\ f(-3) &= 9 + 15 + 6 = -15\\ f(2) &= 4 - 10 + 6 = 0\\ f(-2) &= 4 + 10 + 6 = 20\\ f(1) &= 1 - 5 + 6 = 2\\ f(-1) &= 1 + 5 + 6 = 12\\ \end{align} \end{split}\]

\(x = 2, 3\)のとき\(f(x)=0\)となっている

組立除法#

組立除法は多項式 \(÷(x−p)\) の余りと商を素早く求める手法

組立除法のやり方と例題3問 | 高校数学の美しい物語

の説明がわかりやすいので省く

たすきがけ法#

たすきがけによる因数分解のやり方・例題・他の方法 | 高校数学の美しい物語

3次多項式の因数分解#

例:\(f(x) = 4x^3 + 6x^2 - 6x - 4\)を因数分解せよ

まず因数\((x-a)\)\(a\)を探索する。候補は

\[ \pm \frac{4}{4},\quad \pm \frac{4}{2},\quad \pm \frac{4}{1},\quad \pm \frac{2}{4},\quad \pm \frac{2}{2},\quad \pm \frac{2}{1},\quad \pm \frac{1}{4},\quad \pm \frac{1}{2},\quad \pm \frac{1}{1} \]

となる。

まず\(\pm 1\)について検討すると

\[\begin{split} \begin{align} f(1) &= 4 + 6 - 6 - 4 = 0\\ \end{align} \end{split}\]

なので\((x-1)\)が因数のひとつであることがわかった。

次に、組立除法で\((4x^3 + 6x^2 - 6x - 4) / (x-1)\)を求める

\[\begin{split} \begin{array}{ccc} 4 & 6 & -6 & -4\\ & 4 & 10 & 4\\ \hline 4 & 10& 4 & 0 \end{array} \end{split}\]

より商の\(4x^2 + 10x + 4\)と余り\(0\)が得られるので

\[ f(x) = (x - 1)(4x^2 + 10x + 4) \]

\(4x^2 + 10x + 4\)は、たすきがけ法などで解くと\((4x + 2)(x+2)\)なので

\[ f(x) = (x - 1)(4x + 2)(x + 2) \]