行列式の定義#
2次・3次の正方行列に対する行列式#
2次の正方行列
に対して、行列式は次のように求めることができる。
import numpy as np
A = np.array([
[1, 2],
[3, 4],
])
det = 1 * 4 - 2 * 3
assert det == np.linalg.det(A).round(5) # numpyの計算結果と照合
print(f"det(A) = {det}")
det(A) = -2
3次の正方行列\(A\)
に対して、行列式は次のようになる
import numpy as np
A = np.array([
[1, 2, 3],
[4, 5, 6],
[7, 8, 10]
])
det = A[0,0] * A[1,1] * A[2,2] \
+ A[0,1] * A[1,2] * A[2,0] \
+ A[0,2] * A[1,0] * A[2,1] \
- A[0,1] * A[1,0] * A[2,2] \
- A[0,2] * A[1,1] * A[2,0] \
- A[0,0] * A[1,2] * A[2,1]
assert det == np.linalg.det(A).round(5) # numpyの計算結果と照合
print(f"det(A) = {det}")
det(A) = -3
\(n\)次正方行列に対する行列式の定義#
性質による定義#
「この性質をもっていれば行列式」という条件を挙げるタイプの定義
(定義)行列式
\(n\) 次の正方行列 \(A=(\boldsymbol{a}_1, \cdots, \boldsymbol{a}_n)\) に対し、次の 3 条件をみたす ただ 1 つの式を \(n\) 次行列式とよび、\(\operatorname{det}(A),|A|,\left|\boldsymbol{a}_1, \cdots, \boldsymbol{a}_n\right|\) などと書く.
(1) 線型性
\(\left|\boldsymbol{a}_1, \cdots, \boldsymbol{a}_n\right|\) は、各列について線型である。
(2) 交代性
第 \(i\) 列と第 \(j\) 列 \((i \neq j)\) を入れかえ、他はそのままとすると、値が符号だけ変わる
いいかえれば、「異なる 2 つの列が従属 \(\left(\boldsymbol{a}_i=k \boldsymbol{a}_j\right)\) ならば、\(\left|\boldsymbol{a}_1, \cdots, \boldsymbol{a}_n\right|=0\)」である。
(3) 規格化
単位行列 \(I=(\boldsymbol{e}_1, \cdots, \boldsymbol{e}_n)\) に対しては
ライプニッツの明示公式#
置換を用いて陽に定義したものとして、以下の明示公式がある
行列式に対するライプニッツの明示公式
\(n\)次の正方行列
に対して、Aの成分によって定義される次の数\(|A|\)を \(A\) の行列式という。
ここで和は \(n !\) 個の置換 \(\sigma \in S_n\) すべてにわたる。
とすると、\(M_2 = \{1,2\}\)の置換は\(2!=2\)個あり
であるため
となり、