練習問題メモ 14(1次独立と1次従属)

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練習問題メモ 14(1次独立と1次従属)#

問1#

  1. ベクトルx1,x2,,xmが1次独立、1次従属であることの定義を書け。

あるベクトルを、別のベクトルの定数倍で表現できるとき1次従属

ベクトルx1,,xnについて、係数a1,,an

a1==an=0

であるとき、またそのときにのみ

a1x1++anxn=0

が成り立つとき、x1,,xn線形独立(linearly independent) であるという。

ベクトルの組が1次独立でないとき、1次従属であるという。すなわち、

a1x1++anxn=0

をみたすa1,,anで、そのうち少なくとも1つが0でないものが存在するときにいう。

  1. 次の(ア)、(イ)が1次独立であるか1次従属であるかを調べよ。

(ア)

a1=(211),a2=(121),a3=(112)

「行列Aについて、det(A)0ならフルランクであり1次独立になる」という性質を用いて、行列式で判定する

行列A=(a1,a2,a3)とする。

det(A)=23+1+1222=106=4

でありdet(A)0のためa1,a2,a3は1次独立である

(イ)

a1=(0123),a2=(1032),a3=(2301),a4=(3210)
|0123103223013210|

行を入れ替えて

|1032012323013210|

1行目を2倍して3行目から引き、 1行目を3倍して4行目から引くと

|1032012303630286|=1|123363286|=0

のためランク落ちしており1次従属

問2#

a1=(0123),a2=(1032),a3=(2305)

が1次独立であるか1次従属であるかを調べよ。

係数をc1,c2,c3とする。

{c22c3=0c1+3c3=02c1+3c2=03c1+2c2+5c3=0

の連立方程式から

c1=3c3c2=2c3c3=13c1

が解となるので

仮にc1=3とすると、c3=1c2=2になり

c1a1+c2a2+c3a3=3(0123)2(1032)(2305)=(0369)(2064)(2305)=(0000)

なので1次従属である

問3#

W1W2をベクトル空間Vの部分空間とする。

  1. 和空間W1+W2の定義を書け

ベクトル空間V の部分集合 W1+W2

W1+W2={x+yxW1,yW2}

と定めたものをW1W2 の和空間という。

W1W2をベクトル空間Vの部分空間とする。

  1. W1W2 がそれぞれ x1,,xm,y1,,ynV を用いて

W1=x1,,xmR,W2=y1,,ynR

と表されるとき、

W1+W2=x1,,xm,y1,,ynR

を示せ。

w1W1とする。

w1=a1x1++amxm(a1,,amR)

またw2W2についても

w2=b1y1++bnyn(b1,,bnR)

である。

よって

w1+w2=a1x1++amxm+b1y1++bnynx1,,xm,y1,,ynR=W1+W2