概要#
ノンパラメトリック法#
ノンパラメトリック法ではモデルの想定を弱めて構造の連続性や滑らかさのみを仮定することが多い。
ノンパラではモデル想定の間違いによって生じる推定の誤りは少なくなり頑健になるものの、一般に推定精度が低くなる。
セミパラメトリックモデル#
セミパラメトリックモデルは有限次元のパラメータとノンパラメトリックな関数の両方を未知パラメータとして含むモデル
有限次元パラメータについてはパラメトリック推定量と同じ収束のオーダーになる。
モデルを部分的にパラメトリックにできるため、関心のあるパラメータが有限次元である状況とは相性がいいアプローチ
パラメトリックモデルの特定化を誤るとどうなるか#
仮定したパラメトリックモデルが誤っているとき、それに基づく推定量は本来意図した量とは異なる量を推定してしまう。
例:最尤推定法#
ある密度関数
と定義される(
「モデルが正しい」とは
すなわち、尤度関数の設計に際して仮定した密度関数
が成り立つ。ただし
である。情報行列の逆行列が一定の正則条件のもとでの漸近正規性・一致性を持つ推定量の漸近分散の下限となる。(これは不偏推定量の場合の Cramer-Raoの下限に対応する)
モデルが誤っている場合の最尤推定量#
もし、仮定したパラメトリックモデルが間違っている、すなわち、どの
に収束する(つまり
真の分布が左右対称の単峰の分布ならある程度は真の分布に近い密度推定が得られる。しかし真の分布が二峰の場合は視覚的にも全く異なる推定結果となる。