線形写像#
線型写像(linear mapping)あるいは線型変換(linear transformation; 一次変換)は、ベクトルの和とスカラー倍という演算をもつ特別の写像のことを指す。
写像#
集合
と表わす。 そのとき
写像
と書く。
である。
全射#
一般に
のとき、
単射#
恒等写像#
で表す。
逆写像#
写像
を満たす。
線形写像#
(定義)線形写像
が成り立つとき、
を線形写像という。
標準基底#
こうしたベクトルの組
標準基底の写り方で行列が定まる#
線形写像
このような列ベクトルを順に並べると
つまり、線形写像
超ざっくりまとめると「行列は写像である」ということになる。
線形写像で行列が定まる
任意の線形写像
によって
が定まる
線形写像はベクトルに行列をかけることにより与えられる#
となる。
線形写像はベクトルに行列をかけることにより与えられる
が成り立つ
行列は線形写像を定義する#
逆に、行列が与えられると線形写像が定義される。
任意の
を
に対して
によって定義する。
この写像
線形写像の合成=表現行列の積#
2つの線形写像の合成に対応する行列は、それぞれの写像に対応する行列の積に等しい(そうなるように行列の積が定義されたらしい)
定理
が与えられたとき, 上記基底に関して,
に対応する行列
をみたす。
証明
とすると
ベクトルとして等しいため各成分同士が等しいということであり、
行列の各成分でも等しいことが成り立つため
同型写像#
ベクトル空間
また, 同型写像
証明
が成立する。
よって
となる。
また
なので,
となる。ゆえに
参考文献#
川久保勝夫(2010)『線形代数学 (新装版)』