方向微分#
あるベクトル\(\boldsymbol{v}=\left(v_1, \ldots, v_n\right)\)に沿った、スカラー関数
\[
f(\boldsymbol{x})=f\left(x_1, x_2, \ldots, x_n\right)
\]
の 方向微分 (directional derivative)は、極限
\[
\nabla_{\boldsymbol{v}} f(\boldsymbol{x})=\lim _{h \rightarrow 0} \frac{f(\boldsymbol{x}+h \boldsymbol{v})-f(\boldsymbol{x})}{h}
\]
として定義される関数である。
方向微分は偏微分の概念を一般化するものである。
また、方向微分を一般化したものはガトー微分である(ガトー微分の特別な場合が方向微分)
関数\(f\)が\(\boldsymbol{x}\)において微分可能であるなら、任意のベクトル\(\boldsymbol{v}\)に沿った方向微分が存在し、
\[
\nabla_{\boldsymbol{v}} f(\boldsymbol{x})=\nabla f(\boldsymbol{x}) \cdot \boldsymbol{v}
\]
が成立する。ここで\(\nabla\)は勾配を表し、\(\cdot\)はドット積を表す。
ガトー微分#
\(X\) と \(Y\) はノルム空間とする。\(f: X \to Y\) の\(x\in X\)での\(0\neq t \in X\)に沿ったガトー微分は
\[
D_t f(x) := \lim_{h \to 0} \frac{ f(x+ht) - f(x) }{h}
\]
として右辺の極限が存在する限りにおいて定める。
ガトー微分とフレッシェ微分:方向微分と勾配の一般化 - 初級Mathマニアの寝言
通常の方向微分は \(X, Y\) が有限次元のユークリッド空間になっているガトー微分