ミクロ的基礎付け

ミクロ的基礎付け#

ルーカス批判#

1970年代以前のマクロ経済学では静学的(市場構造が一定)であったが、実際には市場は政府の動きを予見して織り込む動きがあり、相互に影響を与えて市場構造が動学的に変化していく。

新しいマクロ経済学#

ミクロ的基礎付けのある動学的一般均衡モデルを構築し, シミュレーション によって人工的に発生させたデー夕が現実のデー夕とどの程度似ているかを比較する,というのが,DSGE モデル体系,すなわち新しいマクロ経済学の方法論の骨子である(加藤 2006)

1980年代以降のマクロ経済学では、ミクロ経済主体の最適化行動と資源制約、外生的に決定される政策ルールや技術進歩過程などを組み合わせて、何らかのショックに対する経済システムの反応を一般均衡的に調べるための分析ツールとしての色合いが濃かった

これらの分析ツールを動学的確率的一般均衡(DSGE: dynamic stochastic general equilibrium)モデルと呼び、1990年代に発展した。

1982年のRBC(real business cycle)モデルの登場に端を発してDSGEモデルが出来上がった。RBC単体ではそれほど有用ではないが、のちの研究のベースとなった。

(出所)加藤(2006), p.31

参考文献#

  • 加藤涼. (2006). 現代マクロ経済学講義: 動学的一般均衡モデル入門. 東洋経済新報社.