練習問題メモ 23(正規直交基底)

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練習問題メモ 23(正規直交基底)#

問1#

R3 の基底 {a1,a2,a3}

a1=(111),a2=(011),a3=(001)

により定める。 R3 の標準内積を考え、グラムーシュミットの直交化法を用いて、基底 {a1,a2,a3} から正規直交基底 {b1,b2,b3} を求めよ。

(1) b1を求める

a1=|1|2+|1|2+|1|2=3
b1=a1a1=13(111)

(2) b2を求める

c=a2,b1=1a1a2,a1=13(011)(111)=23
a2cb1=a22313a1=a223a1=(011)23(111)=(231313)
a2cb1=|23|2+|13|2+|13|2=49+19+19=69=63
b2=a2cb1a2cb1=36(231313)=3666(231313)=366(231313)=(2666666)

(3) b3を求める

c1=a3,b1=13(001)(111)=13
c2=a3,b2=(001)(2666666)=66
a3(c1b1+c2b2)=a31313(111)66(2666666)=a313(111)(261616)=a3(262626)(261616)=(001)(03636)=(01212)
a3(c1b1+c2b2)=(12)2+(12)2=12=12
b3=a3(c1b1+c2b2)a3(c1b1+c2b2)=2(01212)=(02222)
import sympy as sp

a1 = sp.Matrix([1, 1, 1])
a2 = sp.Matrix([0, 1, 1])
a3 = sp.Matrix([0, 0, 1])

b1 = a1 / a1.norm()
b1
[333333]
c = (a2.T @ b1)[0]
b2 = (a2 - c * b1) / (a2 - c * b1).norm()
b2
[636666]
c1 = (a3.T @ b1)[0]
c2 = (a3.T @ b2)[0]
b3 = (a3 - (c1 * b1 + c2 * b2)) / (a3 - (c1 * b1 + c2 * b2)).norm()
b3
[02222]
sp.GramSchmidt([a1,a2,a3], True)
[Matrix([
 [sqrt(3)/3],
 [sqrt(3)/3],
 [sqrt(3)/3]]),
 Matrix([
 [-sqrt(6)/3],
 [ sqrt(6)/6],
 [ sqrt(6)/6]]),
 Matrix([
 [         0],
 [-sqrt(2)/2],
 [ sqrt(2)/2]])]
sp.GramSchmidt([a1,a2,a3], orthonormal=False)
[Matrix([
 [1],
 [1],
 [1]]),
 Matrix([
 [-2/3],
 [ 1/3],
 [ 1/3]]),
 Matrix([
 [   0],
 [-1/2],
 [ 1/2]])]

問2#

次の問いに答えよ。

  1. 直交行列の定義を書け。

  2. A,Bn 次の直交行列とすると、積 AB も直交行列であることを示せ。

  3. A を直交行列とすると、 A は正則で、逆行列 A1 も直交行列であることを示せ。

補足

n 次の直交行列全体の集合は O(n,R) または O(n) と書くことが多い(O は「直交する」を意味する英単語”orthogonal”の頭文字である。また、ここでは直交行列は実行列としている)。 A,B,C O(n) とすると、問 2 の結果を含め、次の 14 が成り立つ。

  1. ABO(n)

  2. (AB)C=A(BC)

  3. EO(n) で、 EA=AE=A

  4. A1O(n) で、 A1A=AA1=E

一般の集合に対しても、上の 14 のような性質を持つ積を演算として考えると、群というものを定義することができる。 O(n)n 次の 直交群 という。

  1. 直交行列の定義を書け。

転置行列と逆行列が等しくなる行列のこと。すなわち、AMn(R)について

ATA=AAT=E

を満たすような行列のこと

  1. A,Bn 次の直交行列とすると、積 AB も直交行列であることを示せ。

(AB)(AB)=BAAB((AB)=BA)=BEB=BB=E
(AB)(AB)=ABBA((AB)=BA)=AEA=AA=E

より、積ABも直交行列である

  1. A を直交行列とすると、 A は正則で、逆行列 A1 も直交行列であることを示せ。

Aが直交行列であれば、その転置行列Aは逆行列A1に等しい。 行列Aに逆行列A1が存在することとAが正則であることは同値であるため、Aは正則である。

よって

AA

である。

Aが直交行列であれば、定義よりA1=Aである。

(A)=Aのため、

(A1)A1=AA=E

よってA1は直交行列である

問3#

2 次の直交行列は 0θ<2π をみたす θ を用いて、

(cosθsinθsinθ±cosθ)()

と表されることを示せ。

Note

複合同順とは、今回の場合でいうと

(cosθsinθsinθ±cosθ)=(cosθsinθsinθcosθ) or (cosθsinθsinθcosθ)

ということ

Note

2次の逆行列の明示公式

A1=1a11a22a12a21(a22a12a21a11)
A1=(cosθsinθsinθcosθ)

とおくと、

A11=1cos2θ+sin2θ=1(cosθsinθsinθcosθ)=(cosθsinθsinθcosθ)=A1T

のため、A1は直交行列である

A2=(cosθsinθsinθcosθ)

とおくと

A21=1cos2θsin2θ=1(cosθsinθsinθcosθ)=(cosθsinθsinθcosθ)=A2T

であるため、A2は直交行列である。

よって

(cosθsinθsinθ±cosθ)()

は直交行列である

問4#

AMn(R) に対して、 Rn の線形変換 fA

fA(x)=Ax(xRn)

により定め、 Rn の標準内積を考える。以下の定理 23.4 の 2 と 3 の同値性を示せ。

定理 23.4
fA(x)=Ax(xRn)

により定め、 Rn の標準内積を考える。このとき、次の 13 は互いに同値である。

  1. fA は直交変換である。

  2. A は直交行列である。

  3. An 個の列ベクトルは Rn の正規直交基底である。

A=(a1,,an)=(a1an) をそれぞれ A の列ベクトル表示、行ベクトル表示とする。

2 3:

A は直交行列 ATA=EaiTaj=ai,aj=δij(1i,jn)(ATA の (i,j) 成分が aiTaj であるから )a1,,an は Rn の正規直交基底