練習問題メモ 17(線形写像)#
問1#
が成り立つ。
また任意のスカラー
となる。
よって、
問2#
により定める。
定義おさらい
解き方の参考にしたサイト
線形代数学 基底の求め方が分かりません。階段行列を作ってその行列に対応する部分から求められるようですが、どのように求めたら良いでしょうか? - Quora
と変形できるため
Imの基底
元の行列
今回は第1列と第2列に段があるので、対応する列を
Kerの基底
この解は
と表せる。
(
よって基底は
退化次数
退化次数(nullity)はKerの次元なので、Kerの基底の数と同じく2
次元定理
よって
問3#
任意のスカラー
とし、両辺に
となる。ここで、
問4#
が全射であることと は同値であることを示せ。 が単射であることと は同値であることを示せ。 が全単射ならば、 の逆写像 は から への線形写像であることを 示せ。なお、このような が存在するとき、 を同型写像といい、 と は 同型であるという。また、 と が同型であることを と表す。
が全射であることと は同値であることを示せ。
写像
像の集合が
逆に、
以上より、
が単射であることと は同値であることを示せ。
(
(1) まず、
よって、
(2) 次に、
任意の
となる。
仮定より
そして
これは単射の定義(
(1),(2)より、
である。
について
を満たす必要がある。これを満たすには
が全単射ならば、 の逆写像 は から への線形写像であることを 示せ。なお、このような が存在するとき、 を同型写像といい、 と は 同型であるという。また、 と が同型であることを と表す。
全単射と逆写像の存在:
逆写像が線形写像であること:
また
合成写像を使う例
逆写像が線形写像であること:
が成立する。
よって
となる。
また
なので,
となる。ゆえに
問5#
(零写像とは、値域が零のみの写像のこと。)
(1)
について、仮定より
(2)
仮定より、
である。
これは、カーネルの定義
上記(1), (2)より、
問6#
(チャレンジ問題)
ベクトル空間
である(Hom は数学的な構造を保つ写像に対して用いられる「準同型写像」を意味する英単語”homo morphism”を略したものである。)。
により定める。
を示せ。1 で定めた和とスカラー倍によって、
はべクトル空間となることを示せ。 なお、 を の双対ベクトル空間または双対空間という。 が 次元で、 を の基底とすると、 に対 して、
により定めることができる。
を示せ。
(1)
線形写像の和は線形写像になるという定理の証明
加法性
よって加法性をもつ
斉次性
よって斉次性ももつ
(2)
1 で定めた和とスカラー倍によって、
はべクトル空間となることを示せ。 なお、 を の双対ベクトル空間または双対空間という。
1に示したように、
零ベクトルに相当するものが零写像とすると、零写像が線形写像であるかどうかを確かめればよい。
零写像を
のため
また
のため
となるため、零写像は線形写像であり、
よって、
が 次元で、 を の基底とすると、 に対 して、
により定めることができる。