Difference In Differences#
差の差法(difference in differences: DID)
2群・2期間のDID#
最もシンプルな2群・2期間のDIDを例にとる。
結果変数を
グループ
処置前(
):処置後(
):
グループ
処置前(
):処置後(
):
個体固定効果
となり、時間固定効果
となる
2×2 DID#
2群2期間の最もシンプルなDIDを例に取る
処置群
である。潜在的結果で表記すると次のようになる。
ゼロを加えて整理すると
となる。
時間固定効果がすべてのユニット(観測対象)で同じであり、期間の間で変化しないことを並行トレンド(parallel trends)の仮定と呼ぶ。並行トレンドの仮定が成り立てばDID推定量はATTを推定することになる。
なお、ここで
TWFE推定量との関係#
二元配置固定効果(Two-Ways Fixed Effect: TWFE)モデル
:個体固定効果 :時間固定効果 :処置変数
TWFEモデルはDIDの推定に使われる
Baconの分解定理#
TWFE推定量は2×2DID推定量の加重和となる(なお重みはすべて正)
Note
定理(Theorem 1, Goodman-Bacon 2021) $$ \hat{\delta}^{TWFE} = \sum_{k\neq u} s_{ku} \hat{\delta}_{ku}^{2\times 2}
\sum_{k\neq u} \sum_{l > k} \left[ s_{kl}^k \hat{\delta}^{2\times 2, k}{kl} + s{kl}^l \hat{\delta}^{2\times 2, l}_{kl} \right] $$
標準誤差#
クラスタ数が少ない場合#
処置ユニット数が1つしかない、という極端なケースではクラスタ数が少ない場合に向けて提案されたワイルドブートストラップであっても、シミュレーション上では有意水準5%での過剰棄却率は80%となる( Cameron et al., 2008; MacKinnon & Webb, 2018)。
処置群のユニット数が1つしかないような極端なケースではランダム化推論(randomization inference)を使用することが好ましいとされる(Buchmueller et al., 2011)。
ランダム化推論#
TODO
並行トレンドの仮定の検証#
並行リード#
処置が行われる前の時点(リード lead)において並行なトレンドが存在していたことを確認する、という方法。
ある程度の確認はできるが、直接的に並行トレンドの存在を検証できるわけではない(例えばコインを2回投げて2回とも表が出たからと言って、3回目も表が出るとは限らない)
外生性#
並行トレンドの仮定が明らかに成立しない状況は、処置そのものが内生的である場合である。この場合は処置は潜在的結果に依存し、処置がもしなければ結果も平行じゃない変化をしていたと考えられる。
Multiple Timeperiod#
処置を行う時点が複数ある場合の対処について。
1. 生データを年ごとにプロットする方法#
デメリットは
グラフが多すぎて、手間がかかり、見栄えが悪い
対照群が未処置群(never treated)だけの想定をする場合、誤る
Goodman-Bacon, 2021はどんなDIDもtreatment, never treated, early treated, late treatedの4種類があると示している
2. 処置の時点をt=0に再中心化する#
デメリットは
対照群をプロットできるものの、回帰分析で実際につかわれるものと一致しない(Goodman-Bacon, 2021)
Note
複数期間についての他の議論
MEMO
処置の時点が複数あるものはStaggered DID(段階的DID)とも呼ばれる
Event study#
Synthetic Difference In Differences#
matrix completion#
行列補完(matrix completion)という機械学習ベースの手法
論文#
Goodman-Bacon (2019)#
Goodman-Bacon (2019) “Difference-in-Differences with Variation in Treatment Timing”
Youtube: Andrew Goodman-Bacon “Difference-in-Differences with Variation in Treatment Timing” - YouTube
Goodman-Bacon (2021) は 二元配置固定効果(two-way fixed effect)推定量が、すべてのあり得る2×2のDID推定量の重み付き平均であるという定理を示した。
例えば、DID推定量
であり、これは処置が複数時点(ここでは2時点)にわたる場合は
という加重平均になる。ここで
は最初の処置群kと非処置群 のDiD推定量 は二番目の処置群 と非処置群 のDiD推定量 : は処置される前後の期間(処置群)を使い、 は処置前の期間を使う(対照群)場合のDiD推定量 : は処置後のみの期間(対照群)で は処置前後の期間(処置群)のDiD推定量
である
Athey & Imbens (2022)#
Athey, S., & Imbens, G. W. (2022). Design-based analysis in difference-in-differences settings with staggered adoption. Journal of Econometrics, 226(1), 62-79. [pdf]
処置のタイミングが複数ある場合であっても、割当がランダムなら標準的なDIDが特定の加重平均因果効果の不偏推定量となる
We show that under random assignment of the adoption date the standard Difference-In-Differences (DID) estimator is an unbiased estimator of a particular weighted average causal effect.
パッケージ#
R: {did}
パッケージ#
Treatment Effects with Multiple Periods and Groups • did
以下に対応可能
2時点以上の期間
処置の時点が異なる
並行トレンド仮定は共変量で条件づけたときのみ成立する
理論面の説明
参考文献#
サーベイ#
Canonical Assumption |
理論的拡張(assumptionsの緩和) |
---|---|
Parallel Trend |
共変量で条件づけたときだけParallel Trend |
Single periods |
Multiple periods and variation in treatment timing |
DID on distribution#
https://twitter.com/KwekuOA/status/1676679605355151362
https://twitter.com/KwekuOA/status/1676681754952839169
https://twitter.com/KwekuOA/status/1667285957245038594
Differences-in-Differences on Distribution Functions for Program Evaluations
拡張IPW推定を拡張
各時点でのユニットの処置をIPWで補正
Wasserstein距離で処置前後の分布を比較