フレームワーク#
ファイブ・フォース#
「産業の収益性は、5つのフォース(脅威)で規定される」というもの。フォースが強い産業ほど完全競争に近づき、収益性が悪くなる。逆にフォースが弱いほど独占・寡占に近づき収益性が高くなる。
Five Forces
潜在的な新規参入企業(force of potential entrants):参入障壁が低いと、新たな企業が参入し易い。
競合関係(force of rivalry):競合が多い産業ほど収益性は低下する
顧客の交渉力(force of buyer):顧客が自社製品から他社製品に乗り換えやすい産業ほど、顧客側の交渉力が強く、収益性が低下し易い
売り手の交渉力(force of supplier):自社が売り手を選べない立場にいるとき、売り手の交渉力が強くなり収益性は低下する
代替製品の存在(force of substitutes):代替品が豊富な産業ほど、収益性は低下する
例えば米国内線航空産業は収益性が低い産業として知られているので例に取ると
潜在的な新規参入企業 → 1978年に規制緩和されて参入が相次いだ(=forceが強い)
競合関係 → いまも100社以上が存在して競争している(=forceが強い)
顧客の交渉力 → 特定の航空会社にロイヤルティをもつ利用者は少なく、安いフライトを選ぶ傾向にある(=forceが強い)
売り手の交渉力 → 機体の購入先は、ボーイング、エアバス、ボンバルディアなど少数企業に限られる(=forceが強い)
代替製品の存在 → 無料の高速道路が充実しており、ガソリンも安い。自動車が飛行機の代替手段として存在感がある(=forceが強い)
戦略グループ#
戦略グループは、企業を製品のセグメントなどによってグループ化したもの。
グループにすることで、「どの企業が自社にとってのライバルか」「どのグループが高い移動障壁を持っているか」などを分析する
ジェネリック戦略#
ジェネリック戦略(generic strategy) は、自社のポジショニングを検討するフレームワーク。 ポーターの3つの基本戦略 や 戦略3類型 などとも呼ばれる。
ジェネリックは「包括的な」という意味。戦略分析は大別すれば コスト主導戦略(cost leadership strategy) と 差別化戦略(differentiation strategy) に分類されるが、両者を包括的に分析する。
(しかし、ウォルマートのような企業を除けばコスト主導戦略は基本的には価格競争で利潤を減らすことになる。差別化戦略をとるほうが比較的勝ちやすい道に思われる)
(参考:藤田誠(2015)『経営学入門』)