Moat#
Moat(モート、「堀」の意)は、企業が競争優位性を守り続けるための”堀”のこと。 強固なMoatをもつ企業は高い利益率を実現し、維持し続ける。
ウォーレン・バフェットが提唱している概念なので通常の経営学の本には乗っていない。
SCP理論の「参入障壁」やポーターの「差別化」やRBVの「経営資源による優位性」などがすべてMoatを構成する要因と考えられる。
Moatを構成する要因の例
ブランド力:強力なブランドをもっていれば、値上げしてもユーザーが離れない(例:iPhoneや東京ディズニーランドのチケットは年々値上がりしているが売れ続けている)
ネットワーク効果:新しいユーザーが増えるたびに、既存ユーザーにとってサービスの価値が上がる
テクノロジースタートアップが巨大企業になるための鍵となる要因
例:Facebook、Uber、WeChat、LINE、メルカリ
囲い込み / スイッチングコスト:他社に乗り換えるハードルの高さ
例:契約による縛り、蓄積されたデータ移行の面倒くささ(Sansanなど)、ロイヤリティプログラムや先払い(貯めたポイント)
第一想起 (top of mind):最初に想起されるサービスになること。
例:ECを使うときのAmazon
規模の経済:製造業や小売業だけでなく、AI/ML時代の今はデータの量も(活用されれば)優位性を生む要因となる
コスト優位性
免許/許認可/特許/排他的な契約:
例:金融業(認可制のため)、製薬業(特許による障壁がある)、人気の漫画家(排他的な契約で独占している場合)
ユーザーへアクセスするチャネル:例えば2000年代のYahoo Japanや2010年代のLINEなど、ユーザーがとりあえず訪れる場所を抑えると強い
オペレーショナル・エクセレンス:業務の運営が効率化されていること。例:トヨタ自動車
テクノロジーの優位性