確率分布の性質#
再生性#
確率変数の和が同じ確率分布になることを再生性という。
例えば、\(N(\mu_1, \sigma_1^2)\)の正規分布に従う確率変数と\(N(\mu_2, \sigma_2^2)\)の正規分布に従う確率変数の和は、\(N(\mu_1 + \mu_2, \sigma_1^2 + \sigma_2^2)\)の正規分布に従う。
Note
「再生性を持っていたとしても(例えば正規分布でも)、2つの分布を足したら2つの峰の分布になるのではないか?」と思われるかもしれない。
例えば、1つ目の分布から得た\(n\)個のサンプル\((x_1, x_2, \dots, x_n)\)があり、もう1つの分布からも同様に\(n\)個のサンプル\((y_1, y_2, \dots, y_n)\)が得られているとする。
仮にサンプルを連結するように足す、すなわち
\[
(x_1, x_2, \dots, x_n, y_1, y_2, \dots, y_n)
\]
という\(2n\)個のサンプルを作る場合、これは2つの峰の分布となる。
しかし、再生性で議論しているのは
\[\begin{split}
\begin{pmatrix}
x_1\\
x_2\\
\vdots\\
x_n
\end{pmatrix}
+
\begin{pmatrix}
y_1\\
y_2\\
\vdots\\
y_n
\end{pmatrix}
\end{split}\]
という演算である