プロジェクトの計画を立てる#

プロジェクトのフェーズ
  1. 立ち上げ:プロジェクトを発足し、関係者に伝える

  2. 計画:目標を決め、達成のための具体的な計画を作る

  3. 承認:計画をキーパーソンに承認してもらう

  4. 実行・コントロール:PMは進捗をモニターし、メンバーを支援する

  5. 終結:事後を振り返る

ワーク・パッケージを洗い出し、WBSを書く#

プロジェクトを完了するために必要なすべての作業をツリーで階層的に表した図を WBS (Work Breakdown Structure) という。

作業を分解した最小単位をワーク・パッケージと呼ぶ。

✅️ WSB作成時のポイント#

作業の洗い出しに抜け・漏れがない(MECEである)ことが重要。

そのために参考になるルールがいくつかある

100%ルール

  • 1つのbreak downは同じ軸で切ること

    • 同じ階層は同じカテゴリのものになっていること。例えば時間軸だったり構成要素だったり。

  • break downした枝を足し合わせると上位の100%になること(MECEであること)

  • 「その他」を有効活用すること

7×7ルール
  • 1つのbreak downで発生する枝は2~7個にしておく。

  • 階層も最大7層までにする

100%ルールがMECEであることに関わるので最も重要。ここで抜け漏れがあると、「Work packagesを全部済ませたのに成果物ができてない」という問題が出てしまう。

ネットワーク図を書く#

WBSは作業間の依存関係を書かない。

ネットワーク図は作業間の依存関係・流れを描いた図。

クリティカル・パスを把握する#

クリティカル・パス は、プロジェクトにおける最も長い所要時間の経路のこと。

例:下の図のように、A1 A2 の合計3時間の経路と B1 B2 の合計6時間の経路がある場合、クリティカルパスは B1 B2 である。

クリティカル・パスがプロジェクト全体の所要時間に大きな影響を与えるため、重点的に進捗をモニターして管理することが望ましい。

クリティカル・パスを短縮する方法

具体的方法

留意点

作業の依存関係にずれがあれば、作業を並行して行う。(ファスト・トラッキング)

中間地点での成果物が充分に完成していること

依存関係を組み直し、順番を変える。たとえば、前倒しを別にする(ファスト・トラッキング)

それに伴うリスクを容認できること

作業をさらに細かく分解し、並行して行う(ファスト・トラッキング)

変更を通知できること

フロートのある経路からクリティカル・パスへ資源を移す(クラッシング)

移す要員にスキルがあり、時間制約がないこと

障害を取り除く

優先順位が高いこと

時間外労働、シフト、要員の増加や外注出動(クラッシング)

追加予算が承認されること

別の方法や資源を使う「時間をお金で買う」

追加予算が承認されること

品質を落とす

スポンサーの承認が得られること

スコープを削減する

スポンサーの承認が得られること

  • ファスト・トラッキング(fast tracking) :ネットワークを変更して短縮する方法

  • クラッシング(crashing) :コストをかけて短縮する方法

参考#

中嶋秀隆. (2022). 改訂7版 PMプロジェクトマネジメント. 日本能率協会マネジメントセンター.