研究の進め方#
マインド#
論文を出すためのマインド
国際論文を出そう!ICRA / IROS / RA-L への論文投稿の心構えとノウハウ / RSJ2025 Luncheon Seminar - Speaker Deck
まず、いつ・どこに論文を投稿するか決める
コミュニティに対する貢献(contribution)があれば採択される
貢献の要素は「新規性」、「有用性(役に立つか)」、「再現性(主張が確かであるか)」
再現性:手順が明確に示されている、比較試験で既存手法との優位性を示す、ablation studyで必要性を示す
理解しやすく書く:査読者が誤解するなら他の人も誤解すると思ったほうがいい
佐藤竜馬 (2024) ランダムネスとの付き合い方
研究の進め方 ランダムネスとの付き合い方について - Speaker Deck
試行回数を増やす
乱数(不確実性の高いこと)をプロジェクトの前の工程にもってきて早めに確定させる
乱数の結果に乗っかるアドリブ力を高める
認識論的不確実性を削る:天命を待つ前に人事を尽くす。情報が増えれば分散にアタリがつけられる
インパクトのあるAI研究をするにはどうすればよいか?
インパクトのあるAI研究をするにはどうすればよいか? - GIGAZINE
論文ではなくプロジェクトに投資する
論文を書いて終わりではなく、1つのプロジェクトを進める中で複数の論文を生み出すようにする。研究群にも一貫性が出る。
例えば研究して一つのOSSプロジェクトを作り、そこで維持している一貫した成果物を中心に論文の一部を構成する
タイムリーで、大きなファンアウトを持ち、大きな改善見込みのある問題を選ぶ
問題がタイムリーである:2~3年以内に「ホット」になるものの、まだ主流にはなっていない問題領域
「大きなファンアウト」をもつ:つまりは多くの下流の問題に潜在的に影響を与える。issueより始めよ的な
大きな幅の改善見込みがある:「1.5倍の高速化」とかではなく「20倍の高速化」などでないと注目を集められない
2歩先を考えて素早く反復する
流行りにすぐ乗るより、それがしばらくしても陳腐化せず生き残るか考える
素早く反復して研究が進めやすい問題を特定して取り組む
インパクトの高いジャーナルに投稿する方法
How to publish a scientific manuscript in a high-impact journal - ScienceDirect
サーベイ#
文献のサーベイ
新入生向けチュートリアル:文献のサーベイv2 - Speaker Deck
論文を読む前
初めての分野なら、代表する論文を探す(引用数などで)
慣れた分野なら、arXivやScholar Inbox(論文レコメンドツール)で最新の論文を探す
速読のパターン2つ
abstractのみ読む
abstract + introduction + 図表 + conclusion
速読では落合陽一のフォーマットが便利
精読
全部読む
他人に説明できるように、関連研究なども必要なら読む
テーマ#
既存手法を少し変える#
独創性=世界初の大発明という呪縛を捨てましょう。Googleは12番目の検索エンジンでした。勝因は検索の発明ではなく、アルゴリズムの改良です。科研費も同じで、アイデア倒れになるよりも、既存手法を少しずらして確実に成果が出る方が、高く評価されます。
https://x.com/kakenhi_com/status/2014474245393547579
オズボーンのチェックリスト(SCAMPER法)
既存の研究計画に対し、以下の質問を機械的に投げかけてみてください。これだけで独創性は創造可能です。
転用する :他分野で当たり前の技術Aを、自分の分野Bに持ってきたらどうなるか?
例: 経済学の行動モデルを、がん検診の受診率向上に応用する。
変更する :規模、色、音、様式を変えたらどうなるか?(タミフルの例)
例: 従来は静的なスナップショット解析だったものを、リアルタイム動画解析に変更する。
拡大・縮小する :対象を極端に大きく、あるいは小さくしたら?
例: 臓器全体の解析(マクロ)ではなく、単一細胞レベル(シングルセル)に絞って解析する。
代用する :人、材料、成分を別のものに替えたら?
例: 高価な試薬Xの代わりに、安価な食品添加物Yで同じ反応を起こせないか。
結合する :全く関係ないAとBを混ぜたら?
例: 歴史学の文献調査に、AIによるテキストマイニングを組み合わせる。
これら全てやる必要はありません。どれか「1つ」で十分です。
問題意識の雛形の例
Purpose: テーマに対する切り口
例:他の先進国よりも低いがん検診の受診率を引き上げるにはどうすればよいか?
Significance:なぜ重要か?
例:がん検診によって早期に発見できると生存率が上がる
Research Question: Yes, Noで答えられる、検証すべき仮説
例:がん検診推進に対する公的支出の増加はがん検診受診率を高めるのか?
Potential Endogeneity: 分析するべき内容(原因Xは何で結果Yは何か)
Data: データの利用可能性
Identification Strategy: 具体的な識別戦略
例:DID
今後の検討課題
(経済セミナー 2021年8・9月号「経済論文の書き方 はじめの一歩編」より)