プロジェクトの立ち上げ#

プロジェクトのフェーズ
  1. 立ち上げ:プロジェクトを発足し、関係者に伝える

  2. 計画:目標を決め、達成のための具体的な計画を作る

  3. 承認:計画をキーパーソンに承認してもらう

  4. 実行・コントロール:PMは進捗をモニターし、メンバーを支援する

  5. 終結:事後を振り返る

プロジェクト憲章#

プロジェクト憲章(project charter) は、プロジェクトの目標、成果物、期限、ステークホルダーなどを記載した文書。
文書にすることでマネジメントすべきステークホルダーを失念したり、成果物やスコープについての合意漏れを防ぐ。

プロジェクト・スポンサーがプロジェクト憲章を発行して立ち上げを通知することもある

主な記載項目
  • プロジェクトの目的・目標 :なぜこのプロジェクトを行うのか、何を達成するのか

  • プロジェクトスコープ :プロジェクトの範囲(作業範囲や成果物)を定める

  • 成功指標 :プロジェクトが成功したと判断するための基準を定義する

  • ステークホルダー :プロジェクトに関わる主要な人物やチーム、利害関係者

  • リソース・予算 :必要なリソース、予算、および制約条件を記載する

  • リスク :プロジェクトの潜在的なリスクを洗い出す

  • スケジュール :大まかな開始日や完了予定日、主要なマイルストーンを記載する

立ち上げ期の流れ#

1️⃣ キックオフ#

PMはプロジェクト・チームを作り、メンバーを集めて、最初の顔合わせをする。この最初のミーティングを キックオフ(kick off) とよぶ。

ここで小さなパーティーを行ってメンバーの関係醸成をするのもよい。
過去の類似プロジェクトの経験者に参加してもらい、経験談を語ってもらうのもよい。

2️⃣ ステークホルダーのニーズを検討する#

プロジェクト・スポンサーに参加してもらい、プロジェクトの立ち上げに至った背景を説明してもらう。

欲しかった成果物などについて、後から誤解が見つかると大問題なので、ここで根掘り葉掘り聞いて認識の齟齬をなくすよう努める。

3️⃣ 成果物とスコープを決める#

このプロジェクトが生み出す成果物は何かを決める。

  1. プロジェクト終了時に出来上がるべき製品や商品

  2. プロジェクト終了時に実現しておくべき状態

などを決める。

4️⃣ QCDの優先順位を決める#

品質(Quality)、資源(Cost)、時間(Delivery)の優先順位を決める。

  1. 必達目標(最優先)

  2. 努力目標(2番目に優先)

というふうに。

現実的には3つすべてを完璧にできないことが多いため、あえて優先順位を決めておく。

5️⃣ プロジェクトの基本ルールを決める#

  • プロジェクトマネージャー

  • メンバーの構成

  • メンバーの役割、責任、権限

  • メンバー間や外部の関係者への報告の頻度や方法

を決める

6️⃣ 決めたことをまとめる#

ドキュメントにまとめる

プロジェクト・ファイル

📃プロジェクト憲章

  • ビジネス・ニーズとプロジェクトの妥当性

  • プロジェクト目標の要約

  • プロジェクト・マネジャーの任命

🎯プロジェクト目標

  • ステークホルダーのニーズ

  • 成果物

  • 完了・成功の判断基準

  • QCDの優先順位

🚥プロジェクトの基本ルール

  • プロジェクト・チームの構成

  • 各人の役割・責任・権限

  • コミュニケーションのとり方

  • 計画策定と承認

  • 会議の開き方

  • 変更管理のやり方

  • 振り返りのもち方

⛳️前提条件

  • プロジェクト実施にあたり、ほぼ確実に決まっていること

  • プロジェクト実施を引き受ける上で、満たされるべきこと

📚️過去のプロジェクトからの教訓

  • うまくいったこと、さらによくするには

  • うまくいかなかったこと、改善策