『プログラミングのための線形代数』メモ#
第1章 ベクトル・行列・行列式#
ベクトル空間 := 和と定数倍が定義された集合
基底#
基準となるベクトル\(e_1, e_2\)を定めて、そこからの座標(\(e_1\)を3歩、\(e_2\)を2歩、のように)を指定する方法で\(v = 3 e_1 + 2 e_2\)のように表すことができる
\(e_1, e_2\)を基底ベクトル、\((3, 2)\)を座標という
ベクトルの組\((e_1,\cdots,e_n)\)を基底と呼ぶのは、次の2つの条件を満たすときだけ
どんなベクトル\(v\)でも\(v=x_1 e_1 + \cdots + x_n e_n\)で表現できる(どの土地にも番地がついていて表現できる)
その表し方は1通りだけ(1つの土地には番地は1つだけ)
つまり、\((x_1, \dots, x_n)^T \neq (x'_1, \dots, x'_n)^T\)なら\(x_1 e_1 + \cdots + x_n e_n \neq x'_1 e_1 + \cdots + x'_n e_n\)(違う番地なら違う土地)
あるいは\(x_1 e_1 + \cdots + x_n e_n = x'_1 e_1 + \cdots + x'_n e_n\)なら\((x_1, \dots, x_n)^T = (x'_1, \dots, x'_n)^T\)(同じ土地なら番地も同じ)
移項して言い換えると\((x_1 - x'_1) e_1 + \cdots + (x_n - x'_n) e_n = o\)より、\(u_1 e_1 + \cdots + u_n e_n = o\)なら\(u_1 = \cdots = u_n\)
疑問
\((x_1, \dots, x_n)^T = (x'_1, \dots, x'_n)^T\) なら \(x_1 e_1 + \cdots + x_n e_n = x'_1 e_1 + \cdots + x'_n e_n\)
とならないのか?\(\implies\)ではなく\(\Leftrightarrow\)にはならないのか?
「同じ番地なら同じ土地」とは言わない理由があるのか?
同じ番地でも同じ土地を指すかどうかは基底に依存するから、あえてそうしている?
行列は写像#
コラム1.15#
行列は線形写像を座標成分で表したもの
線形写像とは
\(f(\boldsymbol{x}+ \boldsymbol{y}) = f(\boldsymbol{x})+f(\boldsymbol{y})\)
\(f(c \boldsymbol{x}) = c f(\boldsymbol{x})\)
を満たす写像
任意の線形写像は行列を掛けるという形式でも表現できる
単位ベクトルを入力としたときの出力を\(\boldsymbol{a}_i = f(\boldsymbol{e}_i)\)とおくと、入力\(\boldsymbol{x}=(x_1,\dots,x_n)^T\)に対する出力は
となる。
縦ベクトルを並べた行列\(A=(\boldsymbol{a}_1, \dots, \boldsymbol{a}_n)\)を使えば
と書くことができる
疑問
線形写像の解説とのつながりは?
行列の積=写像の合成#
座標変換#
同じ空間でも、基底は色々な取り方をとることができる。どう基底を立って座標を表現しても、実態のベクトルは同じ
先に結論:座標変換は「可逆正方行列\(A\)を掛ける」という形で書ける。可逆行列による線形変換は座標変換と解釈できる。
(例)2次元の基底が2組\((e_x, e_y), (e_x', e_y')\)を使って、ベクトル\(v\)を
と2通りに表現するとする。
座標\(v=(x, y)^T\)と座標\(v'=(x', y')^T\)の対応関係(変換規則)はどうなるのだろうか?
まず、基底の関係は
だったとすると、\(v, v'\)は
これと\(v = x e_x + y e_y\)が等しいので
これを\(x', y'\)について解くと
これが座標\(v=(x, y)^T\)と座標\(v'=(x', y')^T\)の対応関係(変換規則)となる
行列で書くと
となる
第3章 LU分解#
第4章 固有値・対角化・Jordan標準形#
4.1 安定性#
\(\xi = f(u)\) について考える。ただし、単なる関数ではなく、時系列的であり(\(u(t), \xi(t)\))、現時点だけでなく過去のinputにも依存する(株価予測のような。自己回帰モデルのようなイメージ)
今回興味があるのは、発散する(無限に大きくなってしまう)かどうか。例えば\(\xi(t) = 2 \xi(t-1)\)のようだと、どんどん値が大きくなって発散する。
とおけば
のようになる。
どんな初期値からスタートしても\(x(t)\)が有限の範囲に留まるのか(リアプノフ安定 - Wikipedia)どうかを判定したい。
写像はある基底のもとで行列\(A\)によって表されている。別の基底をもってきて、\(x\)を座標変換してやり、もっと簡単な行列にできればよい。ここで固有ベクトルが役に立つ。
対角行列の場合#
もし係数行列が対角行列
なら、対角成分を見れば良い
なら暴走はしない
対角化できる場合#
をのように\(x(t) = (x_1(t), x_2(t))^T\)から\(y(t)=(y_1(t), y_2(t))^T\)へ変換することで、
元の問題 $\( x(t) = A x(t-1) \)$
が
へと書き換えられる
\(C\)を\(P^{-1}\)にして
とすると