フィードバック#
ネガティブなFB#
メンバーの言動と期待値とのギャップを修正するためのフィードバックの心得について。
1. 準備:勢いではなく、何を、どう伝えるか考える
客観的な事実を揃える:感情的に「困るんだよね」と言うのはNG。まずは客観的な状況を整理する。
具体的な行動(Fact): 「いつ」「どこで」「何をしたか」
影響(Impact): その行動がチームや顧客にどんな不利益を与えたか
期待値(Expectation): 本来どうあるべきだったのか
環境としては、1対1かつ、口頭で 伝える
2. 伝える:SBIモデルの活用
雰囲気としては、褒めるべき点は褒め、暖かく敬意をもって行う。
フィードバックの基本構成として、以下のSBIモデルを意識すると、相手が防御的になりにくくなる。
Situation(状況): 「昨日のクライアント会議の際、」
Behavior(行動): 「資料の数値に2箇所の誤りがあったよね。」
Impact(影響): 「その結果、先方の信頼を損ね、再提出のためにチーム全員が残業することになったんだ。」
3. 対話:相手の言い分を聞き、原因を深掘りする
一方的にまくし立てると、部下は「自分はダメだ」と心を閉ざしてしまう。
「この件について、君自身はどう感じている? 何か事情があったのかな?」
このように問いかけ、「能力不足」なのか「仕組みの不備」なのか「意識の欠如」なのかを一緒に特定する。
4. 合意:ネクストアクションを決める
「次は気をつけて」という精神論で終わらせず、具体的な改善策を約束します。
Before: 「次はミスしないように頑張ります」
After: 「提出の1時間前に、必ず別のメンバーに数値チェックを依頼するフローにします」
ネガティブFBのポイント#
項目 |
ポイント |
|---|---|
タイミング |
事象が発生してからなるべく速く。 |
環境 |
衆人環視は厳禁。必ず1on1など、個室や周囲に聞こえない環境で。 |
比率 |
ポジティブ:ネガティブ = 3:1 を意識。日頃の承認があってこそ、指摘が刺さる。 |
言葉選び |
決めつけを避け、I(アイ)メッセージ(私は〜と感じた、助かる)を活用する。また、ヒトではなくコトを主語にする。 |
ポジティブFB#
1. 「事実」と「具体的行動」をセットにする
抽象的な言葉(すごい、さすが等)ではなく、**「いつ、どの行動が」**良かったのかを特定する。
不可: 「昨日の資料、良かったよ」
良: 「昨日の資料、冒頭に結論のサマリーがあったため、決裁者が判断しやすく助かった」
効果: 何が評価されたのかが明確になり、部下はその行動を再現できるようになる。
2. 「影響(インパクト)」を伝える
その行動が、チームや顧客にどのような良い結果をもたらしたかを伝える。
伝え方: 「君が〇〇してくれたおかげで、チームの作業時間が1時間短縮できた」「顧客が安心した表情を浮かべていた」
効果: 自分の仕事が役立っているという「貢献感」が生まれ、自己肯定感が高まる。
3. 「プロセス(努力)」に光を当てる
結果(数字や完了)だけでなく、そこに至るまでの工夫や姿勢を評価する。
伝え方: 「結果はもちろん、毎日コツコツとデータ収集を欠かさなかった姿勢が、今回の成功の鍵であったと思う」
効果: 「結果が出ない時も見守ってくれている」という上司への信頼感につながる。
4. 「タイムリー」に伝える(鉄は熱いうちに)
記憶が鮮明なうちに伝えるのが鉄則である。時間が経つと「お世辞」や「取ってつけた言葉」に聞こえてしまう懸念がある。
理想: 会議の直後、チャットを閉じた直後など「その場」で実施する。
効果: 成功体験と脳内のドーパミンが結びつきやすく、学習効果が高まる。
5. 「アイ(I)メッセージ」で主観を添える
「君はすごい(You)」という評価だけでなく、「私は助かった」「私は嬉しい(I)」という上司自身の感情を伝える。
伝え方: 「あの発言をしてくれて、私は非常に心強かった」
効果: 評価(ジャッジ)されるプレッシャーが和らぎ、人間関係の質が向上する。
ポジティブフィードバックは、**「当たり前の基準を下げる」**ことから始まる。「やって当然」と思えることでも、それが望ましい行動であれば言葉にして伝えることが、強いチームを作る近道である。