マネジメントのスタイル#

マネージャー・リーダーはどういった行動をすべきか?

色々な見解があるが、状況のパターンごとに、いくつかよいとされるスタイルがある

行動理論(Behavioral Theory)#

1950年代以降のリーダーシップ理論において、多数の研究で着目されたのが「仕事」と「対人」の2軸である。

PM理論#

三隅二不二が提案したPM理論は、 リーダーシップは「P機能(Performance function:目標達成機能)」と「M機能(Maintenance function:集団維持機能)」の2つの能力要素で構成されている という理論。

PM理論では、P機能とM機能の2つの能力要素の強弱により、リーダーシップを以下の4つに分類している。

  • PM型(P・Mともに大きい) 目標を達成する力があると同時に、集団を維持・強化する力もある。理想的なリーダーシップのタイプ。

  • Pm型(Pが大きく、Mが小さい) 目標を達成することができるが、集団を維持・強化する力が弱い。

  • pM型(Pが小さく、Mが大きい) 集団を維持・強化する力はあるが、目標を達成する力が弱い。

  • pm型(P・Mともに小さい) 目標を達成する力も、集団を維持・強化する力も弱い。

行動理論の限界#

「仕事(P機能)」と「対人(M機能)」の2軸で説明する行動理論では、たしかに2軸の行動に秀でたリーダーが成果をあげやすい傾向が見られた一方で、そうしたリーダーがいかなる状況でもうまくいくことまでは確認されなかった。

例えば、業務遂行力と人格がともに優れた人材が、ある部署で大きな成果をあげたからといって別の部署で別の仕事をさせてみれば大きな成果が上がらなかったというケースがある。

こうした現象を鑑み、リーダーシップ研究はリーダーの周囲の「状況」も考慮するようになっていった。

状況適合理論(コンティンジェンシー理論)#

1960年代以降のリーダーシップ理論

コンティンジェンシー理論(contingency model)#

Fiedler (1967, 1971)のcontingency model では、リーダーシップの効果に影響を与える状況要因は次の3つがあるとした

  1. リーダーとメンバーの関係性

    • リーダーがメンバーから受け入れられ、良好な関係が築けているか

  2. 課題の構造

    • 仕事の手順やメンバーの役割の明確さ

  3. リーダーの権限の大きさ

    • 人員配置、予算、人事考課などの権限をどの程度もっているか

これら3要因の程度がすべて大きいほど、リーダーにとって望ましい状況であるといえる。

また、Fiedlerは それら3要因が高い/低い状態の組み合わせの8パターンの状況下において、リーダーが「人間関係志向」あるいは「課題達成志向」のどちらに寄っているかの度合いと、グループの業績の相関を調査した。その結果、

  • リーダーにとって「最も好ましい状況(メンバーとの関係性、課題の構造、権限の3要素が全部高い)」と「最も厳しい状況(3要素が全部低い)」においては、「課題達成志向的」リーダーが業績を上げやすい

  • どちらともいえない中間的な状況では「人間関係志向的」なリーダーが業績を上げやすい

ということがわかった。なお、Fiedlerはリーダーの志向性は固定的で変化しないものと考えており、「状況に応じて適切なリーダーを配置すべき」と主張した。

パス・ゴール理論(Path–Goal Theory)#

House(1971)による理論で、

リーダーの役割は、部下が「目標(Goal)」に到達するまでの経路(Path)を明確化・障害除去すること

と考える。

状況に合わせた4種類のリーダーシップスタイルを提案

スタイル

機能

適用状況

Directive

指示・構造化

タスク不明確

Supportive

心理的支援

ストレス高

Participative

意思決定参加

自律性要求

Achievement-Oriented

高目標提示

熟達者

その際に考慮すべき状況要因を大別して2つ挙げた

  1. メンバー要因(Subordinate Characteristics)

    • 能力・経験

      • 能力・経験が乏しいメンバーは指示やタスク構造の明確化

      • 逆に熟練者には意思決定参加や高い目標の提示

    • Locus of Control(統制の所在)

      • 「外的要因で成果が決まると信じる」と信じるメンバーは明確な指示を好む

      • 「自分の努力で成果が決まる」と信じるメンバーへは意思決定は参加させ主体性を尊重

  2. Environmental Factors(タスク環境)

    • Task Structure(課題構造):やるべきことが不明確なら、指示が経路を提供

    • Formal Authority System(権限体系):組織ルールが曖昧なら、指示

SL理論#

Situational Leadership (SL) 理論 (Hersey & Blanchard, 1977) は、 メンバーのタスクへの成熟度に応じて、リーダーが取るスタイルを変えるべき という理論。

変革型リーダーシップ理論#

ビジョナリーリーダーシップ(Visionary Leadership, Bennis & Nanus 1985)#

企業の変革を推進した経営者など90人に対して調査を行い、共通点を明らかにした

  • 明確なビジョンで人々の注意を引きつける

  • ビジョンをわかりやすく伝えコミュニケーションする

  • 一貫性ある行動・ポジショニングで信頼を築く

  • 自分の強み・弱みを知り、それを活かす

変革型リーダーシップ#

コッターが『Leading Change』で提唱した、組織変革を成功させるための8つのステップ

ステップ1 危機感の醸成
  ↓
ステップ2 同志を募り、変革推進チームを結成
  ↓
ステップ3 ビジョンと戦略の策定
  ↓
ステップ4 ビジョンの浸透
  ↓
ステップ5 自発的な行動の促進(障害の除去・環境整備)
  ↓
ステップ6 短期的成果の創出
  ↓
ステップ7 成果を活かしてさらなる変革を推進
  ↓
ステップ8 変革を企業文化に定着させる